こんにちは、0歳娘を育てる育休中ママです。
2月といえば「確定申告」の時期ですね。
自分と家族で1年間に支払った医療費が10万円を超える場合、確定申告をすることで払い過ぎた税金が戻ってきます。これを「医療費控除」といいます。
我が家は昨年、妊娠・出産で医療費をたくさん使いました。たくさん使った医療費を確定申告し約40,000円の還付金を受け取りました。
この記事では、確定申告の制度や医療費の対象範囲、夫・妻どちらがお得か解説していきます。
もくじ
医療費が10万円を超えると「医療費控除」を受けられる。
医療費控除とは、その年の1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費の自己負担額が10万円(※)を超えるとき、所得控除を受けることができる制度です。
簡単に言うと…
所得から医療費の控除を受けることで税金のかかる所得が減り、所得税が安くなると言うこと。結果的に節税することができます。
自己負担額の対象外とは?
医療費が10万円を超えれば控除を受けられると認識していればOKですが、医療費のうち、保険金、高額療養費、出産育児一時金などで補填された分は引いて計算します。
例えば、医療費の合計額が50万円で、出産育児一時金42万円の場合、医療費の自己負担額が8万円のため、医療費控除は受けられません。
所得金額が200万円以下の場合、自己負担額は「所得金額の5%」
医療費控除は医療費の自己負担額が10万円を超えれば確定申告をすると考えてればOKですが、所得が低い場合は例外があります。
所得金額が200万円以下の場合、自己負担額は「所得金額の5%」となります。
例えば、我が家の平成30年の妻の所得金額は産休と育休中だったので「115万」と200万円以下となるため、医療費の自己負担額が「所得金額115万円×5%=57500円」を超えれば医療費控除を受けることができます。
先ほどの例、医療費50万円、出産育児一時金42万円、医療費の自己負担額が8万円の場合、5.5万円を超えるので医療費控除を受けることができるのです。
医療費控除の対象となる医療費とは?
医療費のうち、医療費控除の対象は治療を目的とした医療費です。
妊娠・出産にかかる費用の一例を以下にご紹介します。
妊娠中
- 妊婦健診
- 妊婦検査
- 通院にかかった交通費(電車・バスなど)
出産
- 分娩・入院費(帝王切開や無痛分娩も対象)
- 入院中の食事代(出前などは対象外)
- 赤ちゃんの入院費(娘が産後すぐにNICUに入院しましたが、その入院費も医療費控除の対象となりました。)
- 出産で入院する際のタクシー代(里帰り出産のための交通費は対象外)
- 1ヶ月健診・産後健診
- 母乳外来・桶谷式母乳相談室など
領収書は大切に保管しよう!
確定申告を受けるには、支払った医療費を全て計算します。
そのため、領収書は必ず大切に保管しましょう。
平成29年から医療費にかかった領収書を提出する必要がなくなりましたが、「医療費控除の明細書」の内容を確認するために、医療費の領収書(医療費通知を添付したものを除きます。)の提示又は提出を求める場合がありますので、領収書は5年間保管する必要があります。
【医療費控除】夫と妻、どちらがお得?
医療費の確定申告をする際、「夫」が確定申告をするか「妻」が確定申告をするか悩みますよね。
一般的に、年収が高い方が確定申告をする認識で良いと思います。
しかし、医療費が10万円を超えない場合、年収が低い方が確定申告した方がお得になる場合があります。
どちらがお得か確認したい場合は、シュミレーションや実際に確定申告の書類を作成して計算してみることをオススメします。
【医療費控除】シュミレーションの準備
では、どちらがお得かシュミレーションしてみましょう。
1、1年間の医療費を合計を出す
1年間に使用した医療費の領収書を用意して、合計額を出します。
国税庁の医療費集計フォームをダウンロードして入力します。
入力した医療費集計フォームはそのまま確定申告書の作成で使えます。
2、医療費控除額を計算
1年間に使用した医療費の合計から、医療費の自己負担額を引きます。
医療費の自己負担額は、所得金額が200万以上の方は10万円となりますが、所得金額が200万円以下の場合所得金額の5%となります。
3、課税所得額を計算
課税所得額とは、税金のかかる所得の合計金額のこと。
源泉徴収票から簡単に計算できます。
源泉徴収票を用意し、その「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いて計算しましょう。
4、所得税率(※以下参照)を確認する
所得税率とは、税金のかかる所得金額に対する7段階の税率のこと。
税率は5から45%まであり、税金のかかる所得金額が多くなるほど税率が高くなります。
下記の早見表を見て、先ほど計算した「課税所得額」に当てはまる税率を確認しましょう。
<所得税の速算表>
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え 4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
5、還付される金額を計算
還付される金額は、ステップ2で計算した「医療費控除額」とステップ4で計算した「所得税率」をかけた金額となります。
【医療費控除】医療費10万円以上では年収が高い方がお得なパターン
夫 | 妻 | |
年収 | 700万 (所得510万) | 190万 (所得115万) |
課税所得額 | 400万 | 70万 |
所得税率 | 20% | 5% |
医療費の合計 | 72万 | |
保険金・出産一時金など | 42万 |
たとえば、1年間に使った医療費が10万円以上で、夫の年収の方が妻よりも高いパターンだと
年収が高い夫が確定申告をすると、
- 医療費控除額は、72万-(42万+10万)=20万
還付金(医療費控除額×所得税率)は、20万×20%=40,000円となります。
一方、年収の低い妻が確定申告をすると
- 医療費控除額は、72万-(42万+5.75万)=24.25万
- 還付金は、24.25万×5%=12,125円となります。
つまり、年収の高い方だと40,000円、年収の低い方だと12,125円。約3万円の差!
【医療費控除】医療費10万円以下では年収が低い方がお得なパターン
夫 | 妻 | |
年収 | 700万 (所得510万) | 190万 (所得115万) |
課税所得額 | 400万 | 70万 |
所得税率 | 20% | 5% |
医療費の合計 | 50万 | |
保険金・出産一時金など | 42万 |
次に、1年間に使った医療費が10万円以下で、夫の年収の方が妻よりも高いパターンだと
年収の高い夫が確定申告をすると、
- 医療費控除額は50万-(42万+10万)=0円
- 医療費控除額が10万円なので医療費控除は受けられません。
しかし、年収の低い妻が確定申告をする場合、
妻の年収が200万円以下なので、医療費控除額の上限は所得金額の5%となります。
したがって、
- 医療費控除額は50万-(42万+5.75万)= 2.25万
- 還付金(医療費控除額×所得税率)は4.25万×5%=1125円
と、還付金を受け取れる計算となります。
以下サイトでも還付金が実際いくら返ってくるかシュミレーションができます。
参考 医療費控除は実際いくら返ってくる?保険見直し本舗確定申告で税金を還付してもらう
払い過ぎている税金を返してもらうための確定申告となります。
確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間確定申告することができます。
令和1年の場合は、令和2年1月1日から平成6年12月31日まで確定申告が可能です。
確定申告のやり方について下記記事が参考になりますよ。
参考 医療費控除の確定申告書の必要書類と具体的な書き方書庫のある家税金の相談は税理士、または税務署へ!
今回のシュミレーションは、単純に「医療費控除」だけで計算したもの。実際に還付される額は、他の控除(住宅ローン控除など)を受けている場合、全額還付されるわけではありません。
税金の計算や節税の方法、確定申告は夫、妻どちらが有利かなど具体的な相談は、税金の専門家である税理士、または税務署にご相談ください。
妊娠・出産費用「医療費控除」で節約!夫と妻どちらがお得か検証!まとめ
妊娠、出産はかなりお金がかかります。少しでもお金が戻ってきたら嬉しいですよね。
また、医療費控除だけでなく、妊娠、出産で収入が減ったママは「配偶者控除」を受けられる可能性があります。
合わせて確認してみてください。
【令和2年最新】共働きでも産休・育休中は配偶者控除を受けられる?今回は難しい内容を紹介してみました。けれど大切なことなので忘れず申告しましょうね!
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